マシュマロ・テストを読んで
社会人として仕事をしていると、英語が必要になったり、新たな専門性を身につける必要が出てきます。これまで必要に応じてしゅくしゅくと勉強してきた僕ですが、暗記系は苦手だったり、かといって数式ばかりも目が痛くなるし・・・と「学習することの大変さ」を感じることが度々ありました。そして、ふと、こう思いました。
「効果的な学習法ってなんだろう?」
「そもそも僕が小学校・中学校・高校で学んだ学習法は効果的だったのか?」
僕は公立高校出身で偏差値も普通でしたし、周囲の優秀な学生でも東大進学した人は一人もいない、そんな環境でした。そんな環境だったからこそ、仕事をはじめてPDCAが大切だとか言われるようになって、段々とわだかまりが出てきたのです。
- そもそも指導/教育はPDCAを回しているのか?
- パーソナリティや資質をどのように分析していたのか、重要な要因は何で、どのように育成することができるのか?
- どのような目標設定を行い、どのようにアプローチしたのか?
- 効果検証/効果測定はどういう指標を用いて行っているのか?
- 卒業後の進路(大学)や就職先を追跡調査しているのか?
アプローチが間違いだったとしても良いと僕は思うんです。その後の分析をしっかり行うことで改善が見込めるのであれば。ただ、そもそも何もしていないんじゃないかという気がしてならなかった。教師をしている友人に議論をふっかけたこともありますが反応はなかったです。
前置きが長くなりました。
マシュマロ・テストは長年の追跡調査を行い得た知見がまとまった本です。
「マシュマロをすぐ1個もらう?
それとも我慢して、あとで2個もらう?」
とても可愛らしい動画です。
幼いころマシュマロを2個もらうために待てる秒数が長い人ほど大学進学適正試験の点数がよく、社会的・認知的機能の評価が高く、肥満指数が低く、自尊心が強く、目標を効果的に追及し、欲求不満やストレスにうまく対処でき、しかも、長く待てなかった人と比べたときに中毒や肥満と結びついた脳領域のスキャン画像ではっきり違いがみられた。
これは興味深い事実です。
また、アリとキリギリスの例を用いて、人間に備わる2つの機能である「ホットシステム」と「クールシステム」について説明がなされます。ただし、どちらが良い、という話ではなく、適宜うまくバランスさせることが大切とあります。
冬が来て、蓄えのないキリギリスが食べ物を分けてもらおうと思い、アリの巣を訪れ、声をかけましたが返事がありません。中に入ってみると、アリたちが至るところに倒れているではありませんか。夏のあいだの無理がたたって、みな過労死していたのです。
豊かな人生を歩むためのヒントがこの本には満載です。
貯蓄ができない・・・たばこがやめられない・・・等といった実際の問題を解決するためのヒントが書かれています。最終的にはその人の行動によって決まるのですが、そのあたりは別の行動経済学/行動分析学あたりが参考になろうかと思います。
個人的には、関連性が見出せると動機付けは行いやすい気がします。
自信の今後の成長だけでなく、将来の子育てに活用してみたいと思います。